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2012/01/02

Raw Vintage - "RV-5661"(Aged) Pickups for Strat

 実はここしばらく、Stratをいじって楽しんでいました。
 本当は「デフォルト状態のままで十分」そう思っていたのですが、いじり癖は止められませんでした。

 というか、Stratというギターは、パーツの素材等の変化で音が激変し易いギターなのだ、ということが、短期間ですが、実体験的にわかったからです。
 そのあたりはGibson系とは大きく異なるところだと思います。Gibsonのギターの場合、かなり大袈裟な加工を施さない限り、激変とまではいきません。手工品的なGibsonギターに対して、Fender製ギターがそもそもからして、コンポーネンツ・ギターっぽいところがその所以かも知れませんね。
Brand New Matched Set of "RV-5661" - Fender 1956 to 61 spec. replicated
で、今回は大きく出ましたよ、KOJIさん。
 エレクトリック・ギターの心臓部、Pickupに手を出しちゃいました。

 ゲットしたのは、前々回紹介のTremolo Springの製造販売元でもある、Raw Vintageのもので、巷の評判が極めてよろしく、本家Fender製よりもVintage Spec.に拘りまくったところが気に入りました。
 Tremolo Springの交換効果の結果が良かった、というのもあります。

 Strat用Pickupとして現在Line-upされてる中、所有Custom Shop Strat本体の'60 Spec.に合わせて、"RV-5661"のAged Versionにしました。

 バラ売りもアリですが、今回は無論、1 set一括購入です。U.S.A.直輸入したので、昨今の円高でかなりの激割安購入ですので。

Genuine Fender "Fat 50's" Pickups on Custom Shop 60' Strat
現状、本体のFender Custom Shop '60 Stratには、デフォルトでは恐らく"Fat 50's"が装着されいていると思われます(何も印しが無いから、厳密にはわかんない - でも、売り主は"Fat 50's"だと言っていた)。

 現行のFender製Pickupは、何故かオールドのオリジナル・スペックではなくて、Middle Pickupが極性逆巻きになってます。これにより、いわゆる「ハーフ・トーン」時にハム・キャンセル効果が云々……と、Fenderでは利点を強調されておるのですが、ど うも、私的にはこの音が好きではありません。なんちゅうか、Gainが低く、バランス的に弱々しい。実際、ハーフ・トーンにスイッチングすると、音痩せが激しいです。まー、あの、ハーフ・トーン独特のパリポリ♪トーン感自体は嫌いではないのですけどもね……。
 とにかく、これではOld Stratのオリジナル状態とはかけ離れたスペック強行なわけで、Vintage Re-issueでありながら、これにはイマイチ合点がいかないのですよ。
  
 それに、"RV-5661"の方がスペックも、そのサウンドも「オールドにより近い」ということなので、交換作業決行。













本体からバラして比較。
Left: Fender Custom Shop "Fat 50's"
Front: 6.33k ohms
Middle: 6.33k ohms
Rear: 6.54k ohms

Right: Raw Vintage "RV-5661" Aged
Front: 5.705k ohms
Middle: 5.868k ohms
Rear: 6.000k
 ohms

 いちおー、それぞれのDC Resistance値も自分で測って比較。抵抗値は、平均してFat 50'sの方が明らかに高めですね。
Top: Fat 50's
Bottom: RV-5661
見た目に関しては、ポール・ピース・マグネットのトップ・エッジのベベル・カットの具合が若干違うのと、ボビンのサイズがRV-5661のが明らかにスリム。
 コイルのワックスが、Fat 50'sのは無色透明なのに対して、RV-5661のは拘りの黒いカーボン混入ワックス故、Aged感満載のきちゃない感あり。
 ポール・ピースのAged感は、Fat 50'sのがいい線いってるぽい、と思いきや、サイドから見てみると、このコイルのピカピカ具合がなんともトホホな感じですかね。

 全体的に見て、RV-5661の方が本家を凌ぐ本物っぽさ、でしょうか。
 ただし、本体に搭載後は、ポール・ピース以外は外からは一切見えませんが。
 
RV-5661@Front: Bold mid range tone, slightly louder than Fender "Fat '50s". More touch sensitive feel
  はい、交換終了。
  ハンダは、定番、Kester 44を使用しました。

 Pickupのハイト・セッティングは、いろいろ試行錯誤の末、ハイ・フレット押さえた状態で、全Pickup共、弦:ポール・ピース間隔を6弦@3mm/1弦@2.5mmとしています。

 Fat 50's、RV-5661共、このセッティングでFront/Middle/Rearの音量バランスはパーフェクトで、聴感上問題ありませんでした。

 弦:ポール・ピース間隔は、これ以上近づけると、ハイ・ポジション時のサスティーンに影響が出てきて、トーンも濁ってきます。音量的にはもっと間隔を離し ても問題なく、間隔をこれよりも広げた場合、エアリー感が出てきて、タッチ・センシティブな状態になります。それもまた良い感じはしてます。が、最接近値 として、現在はこの数値のセットにしています。これ以上間隔を詰めると、Stratらしさがスポイルされたサウンドになると思います。




















RV-5661@Rear: Guts in top of mid range, very similar to Tele's "Twang" crunchy tone but not without Strat's "Bell" sound

There are not the words! Great response and perfect balance in all three Pickups
  そして、プラグ・イン……またしても、激変。

 実数値出力はダウンしてるというに、明らかにGain-up、そして、サウンドがワイルド&ダーティーに。
 なんちゅうか、芯が太くなったというか、カリカリがガリガリに、パリポリがバリボリに(濁点ついただけだけど)。実際、この表現が最もわかり易いかと。
 そして、問題のハーフ・トーンも音痩せ皆無にはなりませんけども、かなりの向上。大分違います。これならハーフ・トーンも使えます。

 全体的に空気感、というか、そう、フロントの音は特にエアリー感が圧倒的ですね。ジミヘンの、あのストローク音がします。
 リアはTelecasterのリアの"Twang"サウンドに近い粘り腰の暴れ音。いいですね、これ。

  こうなると、Fender Custom Shopオリジナル純正のFat 50'sの音は、ちと貧弱な気がしてきます。音が優し過ぎる、というか、全体的に線が細いサウンドに感じられてしまいます。

 Fat 50'sは、感度ピークが高音域寄りで、Top endに若干耳に痛いところがあって、Bottomはウォームで丸く、まろやか。一方、RV-5661は、ピークがもうちょい下のMidレンジの美味しいところにギュッと集中していて、TopとBottomは空気感でもって伸ばしているといった感じ。
 実際の数値的Pickupパワーはさして差がない筈なのに、増幅するレンジ帯域が少しズレるだけで全体的なパワー感も違って聴こえるのですよね。
 Fat 50'sは、ポール・ピースで鳴らしていて、音像が平面的、且つ、直線的。RV-5661はコイルで鳴らしていて、音像が立体的。という感じです。これ、Stratを持ってる人にはかなりわかり易い表現かも知れません。あくまで、喩えですが。

  うーん……やっぱ、これだなー、もう戻せないなー。
  そういう感じです。
  かなり満足。

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