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2012/04/12

Gibson '50s Wiring For Fender Tellie

 RosewoodなChocolat、生鳴りは素晴らしく良いです。Stratも良かったのですけど、やはりTeleは更にその上のサスティーンですね。
 Neckがほんのちょい順反りだったのを補正。完璧なストレートになりました。
 で、肝心のPickupを通したSoundなのですが、これが、FrontとRearの音質差があまりなくて……。

 歴代Fender Original Telecasterの場合、Wiringが3 Versionあって、Rosewood Telecasterの時代は最終期ジェネレーションの、Telecasterで言うところの、いわゆる"Modern Wiring"のVersionです。Presetは、[Front/Front & Rear/Rear]の、一般的な3-Positionなのですが、試聴感的には、そのどれもがあまり音質に差がないのですよ……Front Pickupが、Rear PickupのCoil巻き数リダクションVersionみたいな。これではCenter Positionの意味が……ナッシング。
 うむ、このModern Wiring Typeでは"High-Pass" CapacitorがVolumeに付加されてるのですよね(1967年頃からの仕様)。恐らく、これがその元凶と察しをつけました。
 これは、Volumeを絞ったときの「High落ち」を防ぐ為に施されているのですけれども、同じ意味合いならば、過去記事で紹介しています「Gibson '50s Wiring」の方が本来のSoundとToneをスポイルすることなく、自然な効果が得られます。実際、Stratで試して、その効果の程も確認済みですしね。(過去記事参照 1

 ということで、早速、初Modifyに取り掛かりました。

Before: Custom Shop Original Wiring
Originalの状態です。
 Ceramic Disc TypeのCapacitorが2個着いてますよね。Volume Pot上のGND. TipからTone PotのWiperに渡っている方がTone Capacitorで("RoHS" Stickerの位置)、値は0.047μF(実測値: 0.04662μF)。
 Volume Pot上の2つのTipに平行に着いてるのが"High-Pass" Capacitorで、こちらの実測値は666.8pFでした。このHigh-Pass Capは、どのSwitching Positionでも同様に効くような回路になっています。
 しかし、最近のCeramic TypeのCapacitorはダウンサイジングが進んで、どうも見た目が貧そでいけませんねー。イイ音しそうな感じがまったくしません(苦笑)。
 今回、これら両方共取っ払って、ついでにTone CapをLuxeの'60 Replica Type 0.05μF(実測値: 0.05168μF)に交換します。これも、Stratで効果上々だった(過去記事参照 2)のと、丁度、手持ちのTele用の在庫が在ったので。

 Potは、Volume/Tone共、CTS製Solid Shaftの250k ohmsです。

 ちなみに、搭載Pickupは、Fender Custom ShopのSpec. Sheetによりますと、Front: Custom Shop Vintage '63、Rear: Custom Shop Vintage '67です。
 ついでにこれらのPickupのDCRも計測してみたのですが、それがですね……3.688k ohmsと3.688k ohms……え? 異常に低くないですかー?! しかも、まったく同じ値、て。Testerの故障かも知れないと、別のTesterに換えて繰り返し計測してみたのですが、ほぼ同じ結果……有り得ない。これ、通常の半分の数値ですよ? でも、実際の出力的にはまったく問題ないのですよね……。また、交換されたような形跡はなく、元々搭載されていたままのCustom ShopのOriginalのPickupに間違いないと思われます。
 所有のFender C/S Stratとイコール・コンディションで聴き比べてみましたが、聴感的に出力は見事にほぼ同じレベルでしたので、StratのPickupの6k ohms台のDCRに近い筈です。これは、どう考えても計測値の数値の方がおかしい……謎です。まぁ、今後継続調査ということにして、今回はこの件は取り敢えず置いておくことにしました。

Modified: Detached High-Pass Cap, Tone Cap Changed To Luxe Repro Cap With Gibson '50s Wiring
Modify完了です。
 やっぱし、LuxeのCapはReplicaながら、Original然としたルックスで、見た目も良いですね。でも、Rosewood Teleの時代的には、OriginalはCeramic Disc Typeのなんですけどね。George先輩の"Let It Be" Soundに拘るのなら、当時のDisc Capに替えると良いでしょう。Ceramic Disc Typeなら、まだオリジナルが比較的安価にゲットできます。
 High-Pass Capはお役御免で、早々におさらばいただきました。そして、配線を一カ所繋ぎ替えるだけの、コスト@ゼロ、でも、効果絶大のGibson '50s Wiringを施行。

 Bingo! 結果は察したとおりでした。本来のFrontとRearの音質差が現われました。単純にわかり易く言うと、特にFront Pickupが、Frontらしい音に(戻ります)。
 要するに、High-Pass Capは、設定値から下のLow Rangeをグサッ!と"Cut"して切り捨てるのですが(それが目的)、同時に、Mid Rangeの、ギター的に「美味しいところ」のToneの一部までをも幾分同時に持ってっちゃうんですよね。そのために、Front Pickupの本来の「らしさ」的音域が失われていたわけです。Rearについても同様ですが、音質的にはFrontの方が躊躇です。やはり、Frontには、このエアリー感が大事です。
 High-Pass Capは、その値にもよるのですけど、Pickupの性質によって効果も変化しますし、設定は難しいのですよね。言わば、「あちらを立てればこちらが立たず」という具合なわけです。この値ですと、Rearにのみ効かすのなら、まだマシかな……とは思いますが、試聴の結果、私的にはFront/Rearのどちらにも無しの方が断然Toneが自然、且つ、リッチで、音に広がりがあり、遥かに良いと感じました。Midレンジが薄いと、立体感のない、非常にチープなSoundなのですよね。
 High-Pass Capを取っ払う前は、SwitchのCenter Positionの意味がまったくと言っていい程、音質の差がない状態でしたが、これなら、3-Positionの音質差が明快でハッキリして、ちゃんと3通りのSoundヴァリエーション的に本来の使い出があります。
 また、'50s Wiringによって、Rear PickupはHigh Rangeが耳に痛くない、癖のない自然な伸び感になりました。Mid Rangeが復活したことで、音に芯が戻って、図太く、エッジがあり、シャープな、あのTelecasterの"Twangy" Soundです。クリーンでも、歪みでも断然この方が奥行きと厚みがあって、良いです!
 それに、Luxeはやはり良いですねー。Tone変化が自然で、嫌な籠り感がないです。お気に入りのCapacitorです。

 ということで、わたしと同じく、Pickup Positionによる音質差の変化の薄さが気になる方は、一度、High-Pass Capを外して試してみては如何でしょう?

 我がChocolat、一先ず、電装系はこれで完璧な気がします(PickupのDCR値の謎は残りますが……)。
 次、いじるとしたら、Pickupを自作に交換ですね!

P.S. わたしとしたことが……バカやってました(笑)。FrontとRearで数値がまったく同じというところで、何故、気づかなかったのでしょうかね? 結線された状態での計測で、SwitchがCenter Position固定状態だったのでした……。
 Front (Custom Shop Vintage '63): 7.648k ohms
 Rear (Custom Shop Vintage '67): 6.822k ohms
 が、各Pickupの実測DCR値でした。(恥!)

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