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2012/04/16

Compensated Saddles for Tellie

Chocolat Modify第2段は、Classic Style Telecasterのお約束、Saddlesです。


Miss-Matched Fender Custom Shop Factory Original Bridge
Chocolat号に元々取り付けられていた、このCustom Shop Factory OriginalのFender USA純正Bridge Plateは、時代考証的にはミス・マッチなVersionで、本来は"FENDER PAT. PEND."の刻印が斜めじゃないTypeが正解。そして、Saddlesも、このSpiral Typeではなく、Stainless製で弦が乗る位置にのみ溝が切ってあるTypeでないといけません。
 でも、2007年のLimited Releaseものには何故かこの一時代前のTypeのが取り付けられていて、Rosewood Teleよりも廉価な他のCustom Shop ModelではこういうPartsの時代性に拘っているのに、なんか、ちぐはぐですよね。Gibsonほどじゃないですけど、さすが、Fender U.S.A.、テキトーにユルイです。恐らく、製作時にPartsの在庫が欠品していたのではないでしょうか?

 さて、Original Telecasterの場合、ゆわゆる、"3 Way" - Barrel Saddlesなのですが、これは、その形状からわかるように、各弦に対して独立して作用しておらず、隣り合った弦同士「ニコイチ」構成になっており、IntonationのPitch Adjustが完璧にはできません。これは、Tuningを誤摩化しつつ、可能な限りイイ感じに合わせたとしても、やはり演奏上、Intonationのズレを伴う為、ストレスこの上ないものでして、そこで、Stratのように各弦に独立したTypeのSaddleを搭載したBridgeが、Up-Graded Versionとして後に(かなり後期に)登場したわけですが、それはそれで、どうもTelecasterには見た目的にしっくり来ないのですよね。元々が男らしいシンプルなギター故に、ハイテク(?)なPartsの見た目から、ミスマッチ感を抱いてしまうのではないでしょうかね。あと、Saddleに掛かるテンション感の問題もあります。
 やはり、同じように感じてらっしゃるTellie好きは多くて、オリジナルの3-Way Saddlesのコンフィグレーションの見た目のまま、このIntonationの問題を解決しようと試みられた、Pitch補正済みTypeの"Compensated Saddles"というのが今では社外品として数種類出揃っております。金平糖製ではありません。

 また、Saddlesの材質は、Fender Originalでも時代によって、Steel、Brass、Stainlessがあり、社外品も同様に、Titan製とか、他の種のものも出揃っております。それぞれ、見た目の質感も音質も違い、そのあたりはPlayerそれぞれで好みの別れるところでもあります。

 今回、3-WayのCompensated Saddlesに交換すべく、しかし、見た目の変化は少なくしたかったのと、素材としても最も無難な、SteelにNickelのメッキが施されたVersionのSetを選択しました。「とりあえずはIntonationさえ合えば、無問題」ということで、Brandには拘らず、No Brandの安価なものにして、Chocolat購入時に既に発注済みで、その到着を待っておりました。


Up-Graded With "Compensated" 3-Way Saddles
で、入手しましたのがコレで、画像は既に装着完了、Adjust済みの図です。

 SaddleのBarrel部分の径は、補正分の面積確保の為、Originalよりも若干太く、相対的にSaddle自体の質量が増してますが、弦の乗る位置の妨げにならないように、という配慮からか、Height Adjust Screwは逆に細く、1.5mmのAllen Keyで調整するTypeです。わたしはかなり低めの弦高にSetするのですけども、Saddleに手を乗せても痛くならない適当な長さでした。
 Pitchの方のAdjust Screwの径もOriginalよりも若干細く、Headが、+/-の何れのScrew Driverでも使えるもので、Thread PitchもOriginalよりも細目(たぶん、Inchではなく、mm規格かも?)。つまり、OriginalのSaddleとはScrew類の互換性がまったくありません。
 また、Springの線径もOriginalよりも幾分細いものでした。
 アメリカから取り寄せましたが、これ、恐らく日本製ですね……日本で買うよりは安く買えはしましたが(苦笑)。

 取り付けと調整は、特に難しいものではありません。Strat Typeのように、Saddleの中を弦が貫通してはいませんから、なんなら、弦張りっぱのままでも、緩めれば交換可能で、ToolもScrew DriverとAllen Keyがあれば事足ります。
 あとは、各弦のHeightを調節して、Intonationが合うように徹底的に微調整すればよいだけです。

 ちなみに、わたしは弦のTuningに"Tuning Meter"というものを使用していません。特に、このIntonationのAdjustには。
 と言いますのも、一般的なTuning Meterは精度が低く、信用ならんからです。経験的に、自分の耳で合わせた方が正確なのです。もし、Tuning Meterを使用するのなら、Strobotic Typeの高級なものでないと使い物になりませんよ。
 人間の感覚というのは、機械よりも遥かに繊細で、鍛錬すると非常に鋭くなるのです。確かに最初のうちは耳でintonationを合わすのは難しい作業でしたが、慣れると、かなり微妙なところまで感覚でわかるようになります。仕事柄、Concert Pianoの調律師の仕事ぶりをしょっちゅう見るのですが、彼らとて同じことです。しかも、Pianoの場合は、Guitarの6弦どころの数ではありません!
 また、友人のギタバカ氏は、過去、Tuning Meterに頼り過ぎたからか、自分の耳でのTuningがめちゃめちゃ下手なんです。わたしはいつも、彼のTuningしたGuitarの音を横で聴いていて、気持ち悪くてしょうがないんですよ。しかし、当の本人はというと、どうやらPitchが狂っていることがわからないみたいで、平気でジャカジャカ掻き鳴らしてるんですよね。まー、それはそれで「幸せなひとだなー」とか思っているのですが、彼がTuningしたGuitarは、わたし的にはそのままではとても弾けたもんじゃないです。
 なので、Tuning Meterに頼り切っている方は、しばらくは使うのを止めて、自分の耳を今一度信用してみてください。IntonationのAdjustは、最初は難しくても、鍛錬すればあなたの音感は鋭くなり、そして、調整はTunerを使うよりも正確になります。

 さて、ちょっとSaddles本体とは話題が逸れてしまいましたが、元々、OriginalのSaddleの状態でのIntonation Pitchのズレは、まぁ、なんとか許せる範囲ではあったのですが、交換後はさすがにほぼバッチリで、現状、ストレス・フリーのUp-Gradeです。費用対効果(航空便送料込みで2,000 yenしなかった!)はすべての点においてかなり高く、文句ないです。後は、錆びなどの耐久性の問題ですが、当面はこのNo-Brandモノで十分かと思われます。
 見た目的には、Vintage感は少々損なわれますが、印象的な違和感とハイテク感は最小です。ただ、Springの線径が細いので、グニャーとしてて、気分的にヤワな感じがしてます。
 音質は、何となく図太さが失われ、心無しか、音の芯の響きが繊細になったような気がしないでもないのですが、たぶん、それは錯覚でしょう。サウンド的に、何かが損なわれた感はゼロです。String Bendした後でもTuningに狂いのない状態は、やっぱし、最高に気持ちよいですね!

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