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2019/01/25

Up Grading Ric RM 1999 Bass

New Pickguard

 Pickguardはこのようになりました。


 あまり変化がわからない画像ですいません。
 でも、わたし的にはほぼ満足の質感とシェイプになりました。
 Switch & Controller周りの位置関係もPMCの画像から完コピしましたので、良い感じです。スクリューは、敢えて力の加わらないSlot headタイプに交換して割れ防止としています。
 この画像からアクリル材の透け感がわかりますかね? 透過率の殆ど無いWhiteのアクリル素材だと、文字どおり、なんか白々しいというか、偽物っぽいというか、とにかく、「Rickenbackerらしさ」が失われたような外観に感じるんですよね、わたしだけかもしれないですが。Whiteというよりも薄いGreyっぽく見えて、しかも、ボディのルーティングが薄っすらと透けて見えるこの透過率の乳半アクリルこそ、Vintage Rickenbackerの「らしさ」なんだと。
 あ、そうそう……ほら、John Lennonの1958 325の現状がWhite Pickguardに交換された状態でミュージアムで展示されたり、雑誌で紹介されたりしてましたが、あのWhiteのPickguardも非Vintage品の透過率が低いもので、なんか、変な印象でしょう? ナチュラルにWhiteのPickguard仕様って、レギュラーModelでちゃんと在りますが、あんな白けた印象はしないでしょ?
 他のModelでも……そう、330なんかの二段構造のPickguardのModelがありますが、二枚が重なった部分と、コントローラーの露出している一枚だけの部分でWhiteの濃さがVintageのPickguardだと違って見えると思いますが、あれも乳半素材の透過率が関係してるんですよね。現行品の透過率の低い真っ白の素材だと、二枚重なりの部分も一枚の部分も同じベタッとしたWhiteにしか見えない……なんか、らしくなく、安っぽく見える。


 PickupのカットアウトもVintageなピタピタ・ジャスト仕上げ。
 これだけのことで見た目のVintage感、スッキリ感はかなりのものです。現行品はこういった職人加工技が効いてないので細部の仕上げが雑なんです。Pickupの外周実サイズより1mmくらい余分に大きめにカットされている個体もあるくらいです。昔はメーカーが、と言うよりも職人さん自身がクラフトマンシップの表現としても拘って加工していた、こういう仕上げの上質さが失われてゆくのは、我々、オーナーからすれば残念ですよね。

 *比較画像を追加しました↓

Before
After

 ちょっと画像の明るさとカラー調整がチグハグで印象が異なるところは申し訳ありませんが、Pickguard自体の形状比較はできるかと。
 Afterの方がコントローラー周りがFatめに見えますよね。こっちの方が「正調」と思います。
 4001S V63系は更にFatめでボディの外周縁ギリギリまで迫っており、「これはちょっと……」な残念さ。4001S C64系はBeforeの形状のSlimめ、という感じでしょうか。
 何れもほんの少しの差ではありますが、見た目の印象が変わります。明らかにPickguardはデザイン上の重要なアイテムです。

About A Mute-Pad

 話変わって、Sir. McCaがいつ頃からMuteを使い始めたか、というと、"Rubber Soul"あたりからだと思うんですが、Hofner BassにはMute機能が付いてませんから、Rickenbacker Bassの使用と同時に、ですよね。Mute Soundに関してはおそらく、彼がお手本としていたBass player、James Jamersonの影響が大ではないかと思います。
 MotownのStudio bass playerだったJames Jamersonは、愛用のFender Precision BassにMute padを付加して使用していました。"Rubber Soul"の頃、The Beatlesの面々は本場アメリカの黒人による「本物」のR & Bを相当熱心に聴き込み、貪欲に吸収していましたし、実際、後にSir. McCa自身がJames JamersonのBass Soundとそのプレイに当時かなりの影響を受けたと話しています。
 で、James JamersonのBass SoundがMute Pad使用によるものであるという情報をPaulがどこから得たかについては不明ですが、以降、殆どのPaulのBass Soundは「Mute Padありき」になります。そもそも彼はFinger pickingのプレイヤーではないので、手の平で自然にMuteはしていたと思いますが、もう、それ以降はMute Padを使っていないプレイの方が少ないくらいで(というか、"Let It Be" セッション以外は無いかも? ——確認したら、"Let It Be"でもスポンジ挟んでました。)、HofnerにもMute pad用のスポンジを挟むようにさえなります("Revolution"のPromo-clipを参照)。

 さて、ところが、最近のRickenbackerのBassに付属のMuteはよろしくありません。というのも、いつ頃からかは不明ですが、Mute PadのRubber素材の質が変わってまして、現行品の素材は硬質で薄く、使用感もよろしくなく(調整が難しい)、また、Mute Soundも"DEAD"過ぎて良くないです。この現行品のMuteを使うとSustainが完全に死んでしまい易いのです。
 昔の物はもっと柔らかい素材(発泡率が高い?)で、分厚い物でした。従って、フルにMuteを効かせてもSustainは「完全には」死なないんです。ちょっと、これはMuteを常に良く使うプレイヤーでないと解ってもらえない感覚かもしれません。Sustainを「コントロールし易い」と言い換えてもいいかもしれません。
 Mute Padの素材は硬質な素材ほど使い辛く(セッティングが困難)、音作りが難しいですし、薄過ぎるとプレイヤビリティに大きく影響します。何故かと言うと、弦高(アクション)はフレットボード上のどこを押さえてプレイするかによって上下変化しますが、薄いMute Padだと、そのような幅広いバリエーションの状況に追随することが出来ず、作用状態が均一にならないからです(或るポジションではMuteされ、また、或るポジションではMuteされない状態になる)。
 昔はGibson EB系など、フェルト素材を使ったMute Padも有り、それはまたRubber素材の物とは異なった感覚でした。とにかく、Mute Padの素材の良し悪しで使い心地も異なりますし、Mute Soundにも大きな違いが出ます。案外、奥が深いのです。
 また、The Beatlesの中期から後期のBass Soundをシュミレートしたければ、このMute Padはとても重要なアイテムになります。Paulは殆どHorse-shoe PickupのアタッキーでトレブリーなToneにMuteを効かせたSoundを大変好んでいました。多くのフォロワー・プレイヤーたちはこれをNeck Pickupの音だと思い違いをしていますが、Neck Pickupではあのようなアタック音は出ません。トレブルを抑えたSoundの場合、彼はNeck Pickupは使わずにHorse-shoeのToneを絞っているんです。この使い方こそ、彼のRickenbacker Bass Soundの肝と言ってもいいでしょう。これにレコーディング時にコンプレッサーが通されて最終的にあの独特なSoundになるのです。

 で、遅きに失したと言ってもいいのですが、ずっと不満だったこのMute Padの素材を交換しました。ホームセンターの素材売り場で良さげなRubber sheet選び、オリジナルのは剝がして捨て、それに張り替えただけです。
 下の画像のようにFullにMuteしてもSustainは完全には死なず、正に狙いどおりのMute Soundが得られました!
 現行品の素材よりも発泡率の高い5mmくらいの厚みのRubberスポンジ素材で、それを2段重ねに貼り付けて10mmほどの厚みにしたところ、これがベストとなりました。ちなみに、お掃除用のスポンジまで発泡率が高いスカスカな物だとお話になりませんが(とても使えない)、現行品の素材を基準に素材を選定してみてください。廉価(¥200 - ¥300ほど)なUp-gradingなので、是非お試しあれ。


Rickenbacker Vintage Tailpiece Assembly

 別件ですが、RickenbackerのBassのBridgeって、機能的には問題が多いパーツです。個人的にはデザインは大好きなんですが……。
 Bridge、Tailpiece、Muteの三つが一体化されたコンビネーション・タイプのオリジナル・デザインなんですが、BridgeはIntonationのアジャストのためのSaddle移動がし辛いし(というか、事実上、弦を緩めた状態でないと動かせない)、Tailpieceは弦の張力に負けてTailがリフトしてしまうんですよね。
 この"Tail-Lift"は重大で、これをそのまま放置しておくと、Tailpiece Blockの土台自体が最終的には海老反り状態で曲がってしまう! という最悪の結果にまでなります(同症例多数)。
 この問題は、流石にRickenbackerも対処の必要が出て、基本的なデザインはそのままにSecuring screw x 3本(Bridge下に隠れている)に2本を追加してTensionを押え込むという力技で対処しています。
 しかし、Vintage Re-Issue Modelに付属の専用品は、付加Screw付きのModified version品が美観的にもReplica的にもよろしくないので、対処前の「少ないScrew」状態のデザインのままなんですね(4001S V63は5 Screw)。すると、やはり徐々に弦のテンションに負けて"Tail-Lift"が起こってきます。
 わたしの個体でも最近、5mm程持ち上がってきたのを確認したので、そろそろ対処の必要が出てきました。そこで、根本的な問題点には対処を施しつつ、外見の美観的にはそのまま(何も変化なし)というSorutionを施しました。
 これについては、また次回に。


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