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2018/03/10

Guitar Pickup Bobbin Making - Rickenbacker Toaster Top Replica



 この画像で、「一つ一つ、ハンドメイド」というのがお判りいただけるでしょうか。
 これらはまだ製作途中なので、サンドペーパーを当てた粗仕上げなので艶消しに見えますが、Bakeliteは磨くと工芸品的な独特の深みのある美しい艶が出ますので、最終仕上げはいやらしくならない程度に少しだけ磨きを掛けます。

 さて、Fenderと違って、"Hi-Gain" Pickup前までのRickenbackerのPickupボビンにはセンターセクション(ポールピースを挿入するセンターのハウジング部の塊)が在ります。その為、ボビンはそれ自体単独で強固な構造になるのですが、その分、モールド成形でないレプリカ製作には大変な手間が掛かります。しかし、この構造だと完成後は例えポールピースを全部抜いたとしてもコイルは損傷されずにそのまま維持されますし、リペアも簡易です(Gibson系もセンターセクション在りのボビンです)。
 一方、センターセクションの無い"Hi-Gain" PickupやFenderタイプのボビンは、ポールピースを抜くとコイルを含めたすべての構造体が崩壊してしまいます。
 海外のブティック・メーカーや日本のビルダー製作のToaster Top Pickupのレプリカ品は、Fenderタイプのヴァルカナイズド・ファイバーを流用した簡易ボビン"Flatwork"で『なんちゃってToaster Top』を製作されてます。それは、最も安価で簡易的にボビンが製作できるからです。

 案外知られていないことですが、髪の毛よりも細いコイル・ワイヤーではありますが、トータルで数千ターンも巻き付けてコイルを生成すると、ワインディング時のテンションによってかなりのプレッシャーがボビンに掛かります。その為、元来歪な形状であるボビンの変形はよく起こるのです。ですので、あまり軟弱な材質であったり、弱い構造のボビンですと容易に規格外の外径に変形してしまいます。Fenderのボビンで反り返ったものがよく散見されるのはこの為です。RickenbackerのPickupの場合、伝統的にボビンのフランジの厚みが相当有り、この点ではマージンがあるので、ボビンが変形するという事例は極めて稀だと思います。

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