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2018/03/17

Ready to winding!


 Rickenbacker Toaster Top Pickup用Cozy Pickups Replicaボビンです。

 こちらはShort Polepiece用のReplicaで、2 PickupsギターのVintageのネック用は、当初はこのようにボビン内に収まる短いポールピースがデフォルトだったんですよね。それでブリッジ側との出力差をつけてバランスを取っていたようですが、1960年代中期頃から成し崩し的にショート・ポールピースは無くなって、すべてロング・ポールピースになっていったようです。おそらくは工場での生産体制の簡略化だとか、高出力化への要請だとか、その他諸々の都合からだったのでしょう。
 最近、325用Toaster Top Pickupのお問い合わせ等もあって、詳しく調べてみたんですが、3 Pickup Modelの場合は、ブリッジのみロングで、ネックとミドルはショートという組み合わせがそもそものデフォルトだったようです。Pickup Selecter SwitchのワイヤリングがNeck + Middle/Neck + Middle + Bridge/Bridgeの3ポジションだったことからもこれは頷ける仕様です。
 ちなみに、本家のRe-issue Modelでは、"C58 325"のみがショート・ポールピースのToaster Top Pickupを搭載していたようですが、それらはブリッジを含めて3つ共すべてだったようです。突き詰めるのなら完璧を目指して欲しいところですが、やることが常に中途半端ですよねえ。

2018/03/10

Guitar Pickup Bobbin Making - Rickenbacker Toaster Top Replica



 この画像で、「一つ一つ、ハンドメイド」というのがお判りいただけるでしょうか。
 これらはまだ製作途中なので、サンドペーパーを当てた粗仕上げなので艶消しに見えますが、Bakeliteは磨くと工芸品的な独特の深みのある美しい艶が出ますので、最終仕上げはいやらしくならない程度に少しだけ磨きを掛けます。

 さて、Fenderと違って、"Hi-Gain" Pickup前までのRickenbackerのPickupボビンにはセンターセクション(ポールピースを挿入するセンターのハウジング部の塊)が在ります。その為、ボビンはそれ自体単独で強固な構造になるのですが、その分、モールド成形でないレプリカ製作には大変な手間が掛かります。しかし、この構造だと完成後は例えポールピースを全部抜いたとしてもコイルは損傷されずにそのまま維持されますし、リペアも簡易です(Gibson系もセンターセクション在りのボビンです)。
 一方、センターセクションの無い"Hi-Gain" PickupやFenderタイプのボビンは、ポールピースを抜くとコイルを含めたすべての構造体が崩壊してしまいます。
 海外のブティック・メーカーや日本のビルダー製作のToaster Top Pickupのレプリカ品は、Fenderタイプのヴァルカナイズド・ファイバーを流用した簡易ボビン"Flatwork"で『なんちゃってToaster Top』を製作されてます。それは、最も安価で簡易的にボビンが製作できるからです。

 案外知られていないことですが、髪の毛よりも細いコイル・ワイヤーではありますが、トータルで数千ターンも巻き付けてコイルを生成すると、ワインディング時のテンションによってかなりのプレッシャーがボビンに掛かります。その為、元来歪な形状であるボビンの変形はよく起こるのです。ですので、あまり軟弱な材質であったり、弱い構造のボビンですと容易に規格外の外径に変形してしまいます。Fenderのボビンで反り返ったものがよく散見されるのはこの為です。RickenbackerのPickupの場合、伝統的にボビンのフランジの厚みが相当有り、この点ではマージンがあるので、ボビンが変形するという事例は極めて稀だと思います。

2018/03/06

Rickenbacker Toaster Top Pickup Polepiece Magnet

この画像はToaster Top Pickup Replicaボビンの製作途中のショットです

 RickenbackerのトースタートップPickupに使用されているポールピース・マグネットって、一般的なもの(Stratocaster、Telecasterなど)よりも直径が大分太めなサイズです。これがなかなか入手困難なサイズでもあり……。また、材質もA2であるとか、A5だとか、諸説があり……AlNiCoなのは間違いないですが。
 ともかく、トースタートップPickupのレプリカ製作では、このマグネット関連が、材料の調達からイレギュラー品ということ(毎度、U.S.A.より直輸入しています)や、この中途半端なサイズ(ミリメーター規格ではありませんので)の直径のドンズバ穴をボビンに正確に空け揃えるのって、更に困難な作業だったりするので、結構な手間と難易度なんです。

 ちなみに、Rickenbacker製現行Re-Issueのポールピース・マグネットは、当時のVintageで使用されていたものよりほんの少し直径が太いです。
 Cozy Pickupsのレプリカでは、拘りのVintageと同サイズの直径ポールピース・マグネットを使用しています。また、長さについては、大まかにはショート/ロングの2タイプのヴァージョンで製作しています。

2018/03/03

Rickenbacker Toaster Top Pickup Baseplate

 RickenbackerのトースタートップPickupのアルミ製のベースプレートですが、実は形状が違うんです、Vintage OriginalとRe-issueとでは。


 Vintageのベースプレートは、突出する6本のポールピース・マグネットに対して、センターのカットアウトがとてもタイトな形状。しかし、本家Rickenbacker Re-issueのベースプレートはというと、Hi-Gain用と兼用の大きなカットアウト形状で("Hi-Gain"の板ラバー・マグネットを収めるスペース)、Vintageとは大分違う形状なので一目見れば違いを判別可能です。製品化の詰めが甘く、非常にアバウトなRe-issue化ではないかと。
 また、VintageのModel 325用等のショート・ポールピース・ボビンのベースプレートの場合は、マグネット(ポールピース)がボビンから突出していませんから、中心部分の長方形カットアウトがありません。この場合、ポールピースがボビン内に完全に収まるので、ベースプレートで蓋をするのに近い感じです。実は、この僅かな差によって、ポールピース直下の磁界が変化し、音が太くなる効果があります。アルミは磁性体ではありませんが、磁場の中にあるとき、アルミニウム中の自由電子が電流を発生させることによる相互作用のようです。

Top: Recent Rickenbacker Original For Re-issue Toaster Top Pickup.
Middle: Cozy Pickups Vintage Replica - For Long Polepiece Bobbin.
Bottom: Cozy Pickups Vintage Replica - For Short Polepiece Bobbin.

 いずれも、Cozy Pickupsでは正確にVintage仕様の形状を再現しております。まあ、ギター本体に取り付けられている状態では一切視認できませんけどね。しかし、音に影響がまったく無いわけではないから、強ち侮れないアイテムなのですよね、これが。
 それぞれ、『ボディ・マウント用』と『ピックガード・マウント用』の2タイプが在ります。マニアックなVintageドンズバなリプレイスメントをお探しの方はお問い合わせください。詳しくはコチラ→ Cozy Pickups - TTBP
 *Rickenbacker純正Re-issueのベースプレートは取り扱っておりませんので、そちらのご用向きは正規代理店さまの方へお問い合わせよろしく。