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2015/11/20

Beware of fake! - About vintage 1966 Tone Bender Mk1.5 - Pt. III


True Vintage 1966 Tone Bender Mk. 1.5 (Collection of mine)
Fact Details

 引き続き、次に内部の心臓部を具体的に本物の1966年製Tone Bender Mk. 1.5と偽物とのDetailの相違点をわたしなりに解説してみたいと思いますが、これはあくまでもわたしの私的考察であり、併せて現時点での見解であることをくれぐれも先にご注意申し上げておきます。また、画像の無断転載転用をお断りいたします。
***Refuse the reuse without permission of the image***

2. Parts and circuit


Circuit board: RS? universal type sized 2" x 1-1/4"
R1: 47K (PIHER 1/2w carbon film type)
R2: 100K (PIHER 1/2w carbon film type)
R3: 8.2K (PIHER 1/2w carbon film type)
R4: 470 (PIHER 1/2w carbon film type)
R5: 1K LIN (RS plastic universal long shaft)
R6: 100K LOG (RS plastic universal long shaft)
C1: 5uF (WIMA electrolytic type)
C2: 25uF (WIMA electrolytic type)
C3: 0.01uF (WIMA TFM type)
Q1: OC75 (MULLARD GB TO-1 glass case type)
Q2: OC75 (MULLARD GB TO-1 glass case type)

 先ず、Circuit boardは、恐らくは1960年代当時、RSから供給されていたものであろう、Universal typeを2" x 1-1/4"サイズにCutした物で、Dark Brownの色味をしています。一見、ベークライト板に見えますが、この材質は日本製の基盤に見られるベーク板ではありません。また、現在海外で供給されている似た物では、色味がこれと同じ物は無いと思います。Re-issue、Replica、Cloneモデルに使用されている物をチェックしてみてください。明らかにもっと薄い色をしています。それは、新製する材料として同じ基盤を入手できないからです。

 Resistorについては、その外観から、恐らくPIHER製Carbon film typeだとは思うのですが、あくまで私見です(多分、間違い無いとは思いますが)。Mk. 1.5はこのTypeがオリジナルで、1/2 watts +/- 5%規格です。

 Potentiometerは、RSから当時供給されていたUniversal long shaftのもので、これは製造時に取り付けられる際にShaftの長さが適当にCutされていて、元々Shaft長は定尺の長さではありません。Mk. 1.5はこのTypeがオリジナルです。"Date code"を確認すればPotの製造時期は確定出来ると思いますが、バラさないと確かめられないので未確認です。
 現行品としてはCITECのものがほぼ同様の規格で外観も似ており、Re-issue品に使用されているようです。


 Capacitorは3つ共、Audio業界では定評のあるGermanyのWIMA製で、Mk. 1.5はこのTypeがオリジナルです。
 個人的には、このWIMAのCapacitorのキャラクターにより、Mk. 1.5のトーンに大きな影響を与えていると思いますし、Capacitor単体の価値的にも大変重要なPartsと言えると思います。

 Germanium transistorは、Mullard OC75 Made in GBで、Black paintedのTO-1 "Bullet" glass case typeです。
 Mk. 1.5の場合、すべてこのOC75であったとわたしは考えていますが、後の故障時に他のTypeに代替交換されていることが非常に多いのです(入手が困難なため)。何故なら、この時代のGermanium transistorは品質が不安定で不良率が高いのということがあり、Tone BenderのCircuitでは、その肝心要な心臓でありながら、交換事例が最も多いPartsだからです。故に、Germanium transistorは、真空管と同様な「準消耗品」と捉えても差し支えないかと思いますし、オリジナルどうりの仕様 - OC75 - に交換されているのならば、それはオリジナリティと本体の価値を損ねる変更とはならないとわたしは考えております。
 Germanium Fuzz pedalに拘っているマニアックな人々は、度々、このGermanium transistorの製造工場による差異と、Hfe値と、そのMatchingに関して過剰に煩いですが、それについてはかなりナンセンスを私的には感じています。これはまた別投稿でわたしなりの意見を交えて考察して解説してみたいと思います。
 さて、Mk. 1.5のCircuit boardにマウントされているTransistorのオリジナリティについて大変重要なポイントを紹介しますと、各Transistorの3端子にInsulation sleeveが被せられていますが、Mk. 1.5の場合、オリジナルはRed-Green-WhiteのColoringです。また、このSleeveの内/外径は大変細く、その色味にも特徴があります。
Insulation sleeve color combination of transistor is important for i.d. originality - Mk. 1.5 was "Red-Green-White"
 オリジナルかどうかを確かめるとき、Transistorそのものよりも、このTransistorの端子に被せられているSleeveに注目してみてください。
 既に交換されている場合、Sleeveのが太かったり(現在一般的に入手できるSleeveを使用しているからです)、3本足の色が異なったColoringだったりすることが殆どなのです。同じく、偽物Mk. 1.5の贋作製作者はこのことを知らずに、うっかりMk.II以降のTypeのColoringにしたりしています。このSleeveの色と材質が異なる場合、少なくともTransistorは過去に交換されていると見て間違いないと思います。

IN & OUTPUT Jack: (A CLIFF PRODUCT)
 Output側のみSwitch付きのタイプです。
 CLIFFのJackは、英国製の音響機器全般に広く使用されており、現在まで入手が比較的容易なアイテムではありますが、これは1960-70年代までのTypeで、今現在は入手が困難です。SOLA SOUNDによって同時期に製造された他のモデルにも同じタイプが使用されているのを確認していますので、Mk. 1.5に使用されたのは間違いなくこのTypeだと思います。

CLIFF jacks

Foot SW: (ARROW HART)
 2 position/6 terminalsのTypeで、Plastic molded caseの上級品です。
 樹脂モールドされてない廉価版のType(この2 position/2 terminals typeはVOX AC30のFoot switchに使用されています)もありますが、Mk. 1.5に使用されていたのはこの上級Typeです。
 ARROW HART社のFoot switchは頑丈で信頼性が大変高く、現在でもN.O.S.品が稀に見つかることがありますが、昔から評判が良いSwitchなので、見つかると高値で取り引きされる人気Partsです。
 この6 terminals switchにより、Off時にSignalは所謂"True-bypass"になります。

ARROW HART foot switch

 わたし所有個体の場合、NutがRoulette typeのものが着いていますが、他の殆どの個体の場合、Hex typeのようです。このRoulette typeがオリジナルなのか、後に取り替えられたのかは不明ですが、SwitchのターミナルのSolderingがオリジナルですので、Switch本体は未交換です。

I don't know this roulette type ring nut was originally fitted or not

Battery cell snap socket: RS?
 PP3-9volts typeのHolderです。
 恐らく、当時の英国RSから供給されていた汎用品と思われますが、わたしの個体のものには絶縁Coverが着いておらず、Socket baseが剥き出しです。


Control Knobs: Secret
 いわゆる"Pointer" typeのノブですが、これまた同じようで、製造メーカーや、製造された時期によって、実は違いがあります。
 同形状(似た形状)のものは今現在でも入手が容易ですが、1960年代に製造されたものには樹脂の原材料に特徴があり、現在製造されているものとはアピアランスが異なります。つまり、贋作に使用されているノブが、時期的にMiss matchedなアイテムかどうかは、確認すれば判明します。そのようなこともあり、これについては敢えてシークレットとさせていただきます。


 以上が、Stockのオリジナル状態を維持したTone Bender Mk. 1.5のFull Detailsです(わたしの個体とまったく同じ仕様の、本物と思われる別個体の画像を、数台インターネット上で確認しておりますので、これが標準の共通仕様であることは間違いないと考えられます)。

 最後に、Parts類に関しては、オリジナリティを精査する上で大変重要なのは言うまでもないですが、現在でも入手可能なN.O.S.品や、Used品Partsを使用して贋作を製造することは、全く不可能なことではないと思います。或いは、別機種からPartsを根刮ぎサルベージして換装するなど、その手法は様々です。
 しかし、実は最も同じ物を入手が困難なのはWiring(線材)なのです。
 Tone Bender Mk. 1.5のwiringに使用されているものと同じWiring材で作り直すことは非常に困難です。
 ですので、内部のWiringの種類、Sleeveの材質と色などをよくよく確かめると、偽物か、或いは、修理交換や、改造カスタマイズされたりした個体かどうかは判ると思いますし、既にPart. IIで解説したEnclosureの詳細と併せて判断すれば、総合的に高い確立で本物と偽物とを見分けることができると思います。

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