Search

2013/05/13

"Yellow Submarine" UK mono 1st. Press - The Beatles

 The BeatlesのVinyl Collection紹介の初っ端は、中でも入手困難度が高いと言われるYellow SubmarineのUK mono 1st. Press盤から。

 (わたしのCollectionは、ほぼオリジナルのUK盤の1st. Pressの初版物に限っています)
1969 UK Apple PMC 7070 mono
XEX 715-1/1/O
XEX 716-1/1/GD

Outer Sleeveのこのタイトルの初版の特徴は、1. Backに"Red Line"(ボーダーライン)が2本が入っていること。

2. 下部Flip-Back上に印刷製造会社のクレジットがプリントされていないこと。(後発のOuter Sleeveには入る)
3. "Pinched Spine"であること。
(日本では背表紙の「絞り」と呼ばれる)

 4. 無論、mono用のOuter Sleeveであること。
DiscのLabelは、"Dark Green" Appleで、"Sold in U.K. ~"のRemarkが入っていること。
1st. Pressの場合、Labelの版下のクレジットのErrorが多々あって、順次訂正されたものに切り替えられていくことから、どのタイトルでも数種確認されていますが、Yellow Submarineの場合、Labelのヴァリエーションはないとされています。しかし、確かもう一種あると思います。
Matrices - Side One: XEX 715-1
"Sliced Side"もSide Oneと同じく。



Matrices - Side Two: XEX 716-1
そして、Inner SleeveはAppleのBlackで、片面のみセンターのCut-Outがあるものが付属。

 …以上がYellow Submarine UK mono 1st. Pressの証となります。

 この個体はつい最近入手叶った物で、すべての状態がかなり優秀なコンディションでした。Outer SleeveなんてコーティングのないBackに染み一つなく、事情通のコレクターなら同意してもらえると思いますが、こんな良い状態のものは珍しいです。Innerも破れ/抜けなく、保管条件が頗る良かった個体のようでした。肝心のDiscの方も数回聴かれただけだったようで、両面とも最初から最後までスクラッチ&クリック・ノイズ皆無のまるで夢のような盤。すべてのコンディションがNMで、「ほぼ完璧なコレクターズアイテム」と言えると思います。

 さて、サウンドですが、このアルバムは同名映画のOriginal Sound Track盤として発売されましたが、その映画用にThe Beatlesが新たに提供した楽曲は僅か4曲で、しかも、それらはこの映画向けに特別に書き下ろしたというのではなく、過去Recordingした余り物的駄作を何の脈略もなくSide Oneに並べただけで、Side Twoに至ってはThe Beatlesの演奏曲は皆無であり、映画用にGeorge Martinが書き上げたOriginal Film ScoreのSound Trackを収録、という、メンバー自身は完全にヤル気の抜けた制作の有様で、後年、Johnなんかは自ら「ゴミ」呼ばわりしたほどのハズレ・アルバムでした。よって、ファンにさえもThe Beatlesのオリジナル・アルバムとしての価値を認められず、長年見捨てられてきたオリジナルUKタイトルであります。しかも、このmono盤はstereo remixのMaster TapeをそのままmonoでCuttingしただけ、というプロダクトの製造上でも大手抜き仕様でありました。
 不人気だったタイトルであった為に、販売枚数もThe Beatlesのアルバムとしては比較的低かったが故に近年では逆に稀少度は高く、特にこのmono盤は当時、stereo盤の方に予約注文が偏った為にstereo盤よりも更に製造枚数が極端に少なかったと言われ、現在では入手困難となっているものです。
 しかし、腐ってもThe Beatlesのアルバム。最近ではstereo Remasterされた同別タイトルのアルバム化発売、The Beatlesの全(ほぼ)mono音源もRemaster化されてCD発売され、話題を呼びましたが、それらとも比較試聴しました。

Side One:
1. Yellow Submarine *
2. Only A Northern Song
3. All Together Now
4. Hey Bulldog
5. It's All Too Much
6. All You Need Is Love *
(*タイトル曲の"Yellow Submarine"はアルバム"Revolver"からの再収録で、Stereo Remixのmono Version
(*"All You Need Is Love"はSingleからの再収録で、stereo Remixのmono Version)

Side Two:
1. Pepperland
2. Sea Of Time
3. Sea Of Holes
4. Sea Of Monsters
5. March Of The Meanies
6. Pepperland Laid Waste
7. Yellow Submarine In Pepperland

 正直、サウンド的には過度な期待はしていなかったので、ここまで音が良いとは思いませんでした。純mono Remixではないことをさっ引いても音が良い。
 特に高域の出が特出して素晴らしく、シンバルの音やスネアのアタック音、"It's All Too Much"で聴けるE. Guitarの高域のFeedback音と金属音的な高周波音の出方はCD化音源の比ではないと思います。
 また、"Hey Bulldog"は大好きな曲なのですが、stereo Remixの加減からBassの音が前面に突出しており、他のどの音源よりもBassの音の輪郭が特に明瞭で、むしろVocalは奥まっています。
 全体のCuttingのlevel自体は決してLoudではありませんが、"All Together Now"のVocalの生々しさなどから感じるのは、やはり、1st. Pressの音の鮮度の高さが何よりもヒアリングの印象の一番ではないかと思いました。こうなると、stereoの1st. Press盤も手に入れて是非聴いてみたくなりました。
 Remaster CDもそれはそれで好印象ではありましたが、当時のオリジナルのMasteringは、そもそもVinyl盤として製造することを大前提に調整/製作された音源であり、Remaster音源はDigital化が大前提。比較自体がナンセンスな気がします。空気感、生々しさ、エネルギー、そういった包容されたエターナルな音は、やはりオリジナルのVinyl盤でなければ再生されきれないと思いますね。
 それと、他では滅多に評価されることのないSide Twoですが、London Symphonic Ohchestraの演奏であり、また、音楽としても良質なものであり、流石George Martin、自身の独断場を与えられたのですから録音も良いです。


0 件のコメント:

コメントを投稿