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2013/09/17

Headstock shape - Rickenbacker RM1999 (4001S) Bass

My RM1999 Reissue
Sir. McCartney's "DA23" (Recent)

 Rickenbacker Bassのデザインで最も特徴的な部分と言えば、このHeadstockでしょう。
 しかし、Headstockのこのカタチ、おおまかなアウトラインは統一されてはいるものの、60年代当時はハンドソウンで材から切り出されていたためにShapingの個体差が激しいです。また、70年代からは両Wing部のWalnutのラミネイトがMapleに変更されて、Neckの構造自体も変更され、センターにWalnutをラミネイトする3 piece neckになり、Headstock部では5 piecesになりました(オリジナルはOne piece Maple neck)。
 Reissue modelの4001C64では、Sir. McCartneyの個体の"Mirror-image"ということで、残念ながら"Reverse" Headstockが採用されました。わたしはこのタイプのHeadstockは、その本来のデザインの美しさを大きく損なっていると思います。
 なので、歴代の幾つかのReiisueモデル中では、このRM1999 ReissueのHeadstockのみが60年代のオリジナル正調再現仕様と言えるものとなっています(V63は、根本的に再現性が低いので、私的に「論外」としました。)。

 で、画像でわたしのRM1999 ReisuueとSir. McCartneyの"DA23"と比較してみました。
 一目見ると、かなり近いShapeにはなっていますが、やはり微妙に少し違う部分がありますよね。
 実は、現在のRickenbackerではコンピューター制御のマシンで材木を切り出してはいるのですが、信じられないことに、未だに現行品も個体差が激しいのです(製造ロット、担当クラフツマンの違いによるものと思われる)。その中でもわたしの1999の場合、全体的にはMcCa卿のものにかなり近い個体ではないかと思います。

 DA23のHeadstockの特徴は、G string側のWing部のNutから始まる外枠のカーブのラインが鋭角なところです。ここまで鋭角な個体は、オリジナルでもまず無いので見分けがつき易いです。しかし、下の元々の状態と比較すると、そこまで鋭角ではないので、Original finishを剝離した際に若干木部まで削られた可能性が高いです。
 また、Walnut-Maple-Walnutのラミネイトですが、DA23はMapleの幅がG string方向に僅かに幅広です。
 TunerのPostの位置関係もかなり個体差でバラツキがあるのですが、この両者の位置関係はかなり近い方です。
 あと、Headstock全体の大きさ(長さ)にもバラツキが多く、オリジナル中でもDA23はNutから先端までが長めの個体なのですが、Nutが白色のものに交換されているので更に長く感じます。これもわたしの1999は比較的近似値に再現されている個体だと思います。
 Re-issue modelの4001C64は結構数多く生産されましたが、Headstockの全長はDA23に近いものの、NutからE stringとG stringのString Postの位置関係が寸詰まり気味で、そこから先が間延びしたような個体がかなり多くあります。

 上の画像比較で全体的な見た目の感じの違いに大きな影響を及ぼしているのは、実はあの"Rickenbacker" Truss Rod Cover (Name plate)です。このTRCもShapingの個体差が激しい上に、McCa卿のはLeft Handのため、演奏中にLogoの向きが上下正しく見えるように字面が逆向きのワンオフ製作のTRCになっています。実は、上の画像の状態は3個目のTRCで、最初にRickenbackerのFactoryでリペアされたときに交換されたものとも形状が違います。初代のものより全長が短く、形状も異なった別物です。最初のTRCはもっと長いサイズのものでした(元々オリジナルで着いていた初代TRCは下の画像参照)。また、Screwの位置がわたしのRM1999 Reissueとは若干違います。

 また、これはHeadstockのShapingとは無関係ですが、
1. DA23ではKlusonのTunerが少なくとも一度交換されており(恐らく、リペア時に)、現在は1970年代のKlusonが取り付けられています。KlusonのBass用Tunerは、1960年代と1970年代のものではString postの形状、Gear screwのHead形状、Rivetの位置と形状など、細部のディテールに違いがあるので見分けられます。
2. DA23には"Zero-Fret"が付加されていることで有名ですが、これは、英国のRepair shopで付加されたようなのですが、本来のFret boardのEndに接ぎ木してFretwireが打たれているので(接ぎ木はScrew 2本で接着補強されている!)、その分、Headstockは短く見える筈なのですが、その時に交換された白いNutの効果であまりそうは見えません。
 ちなみに、何故、DA23にZero-fretが付加されたのか? というと、元々、Headstock-angleが緩い個体だった上に、経年変化で弦の張力に負けてしまった結果、Nutにテンションが掛からなくなったことの対策だったそうです(これはOld Rickenbacker Bassによくあるトラブルの一つです)。他の画像で確認すると解るのですが、DA23のHeadstock-angleはFret boardとほぼ平行(あるいは、それ以上)になってしまっています。そうまでなると、現実的にはNut上での弦のテンションが弱すぎてTuningにすら困難な状態でしょう。現在、彼がDA23を表立って使用しなくなった原因もそのあたりの不具合にあることは間違いないと思われます。
My RM1999 Reissue
Sir. McCartney's "DA23" (Early days)

 で、上の画像ではMcCa卿のリペア以前の時期の在りし日の本来のDA23の姿を捕らえた画像で比較してみました。
 TRC先端のScrew位置以外、ほぼ近いShapingであることが解ると思います。実は、RM1999 ReissueのTRCはかなりSizeが大きかったので、わたし自身がReshapeしました(再三加工し、かなりの面積を切削して近づけました)。でも、LogoもBoldとRegularて感じの差異がありますよねー(不満)。

 ということで、今回はあくまで表面からの見た目だけで比較してみましたが、このHeadstock、厚みとAngle(角度)にも個体差のバラツキがあり、それらもまた機会があれば取り上げてみたいと思います。

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